ピアノ一丁!

国府弘子ピアノ一丁!CDジャケット

22thアルバム
ピアノ一丁!
VICJ-61708 / ¥3,000(税抜) / 2015年1月21日発売

お待たせしました。

愛情たっぷり。極上のピアノ、一丁!

<収録曲>
1.ピアノ一丁!のテーマ(国府弘子/新作オリジナル)
2.ユー・チューン・マイ・ハート(国府弘子/新作オリジナル)
3.ソー・イン・ラヴ (C.ポーター/「日曜洋画劇場エンディングテーマ」)
4.サムホェア (L.バーンスタイン/「ウエストサイド物語」より)
~組曲「ピアノテラピー」 ~  (国府弘子/新作オリジナル)
5 I.独りの時間
6.II.眠りの森
7.III.瞑想
8. サクセス・ムーン・ダンス(国府弘子)
9. ゴールデン・スランバー (Lennon & McCartney/「アビイ・ロード」より
10. ラプソディ・イン・ブルー (G.ガーシュイン)
11. ブラッド・サーキュレイション(国府弘子/新作オリジナル)
12. スターランド(国府弘子)
13. ハッピー (ファレル・ウィリアムス)
14. コスモスアベニュー (松岡直也)
15. 男はつらいよ 映画「男はつらいよ」より)*ピアニカ

 

 

“こんなピアノの音色を、聞きたかった”

聴き手をとことん幸せにするピアノミュージック。

人気ピアニスト国府弘子の待望の新作は、銀座ヤマハホール録音の完全ソロピアノ作品。

ホールとピアノ(ヤマハコンサートグランドピアノ・CFX)の豊かな響き、それらを贅沢に使用して奏でられる、新作オリジナル曲と多彩なジャンルの名曲たち。

極上のピアノ演奏が、満を持して貴方のもとに。

 

<アルバム内容>

1987年のアルバムデビュー以来、国内外での数々の演奏経験を経て、その音色に深みと味わいを増すピアニスト国府弘子。

彼女の作る楽曲そして演奏スタイルには独特の「生きる歓び」があり、その存在は、“鉄壁のトリオ”と評される長年の「国府弘子スペシャルトリオ」や彼女のピアノを愛する名歌手たちとのデュオ演奏、またオーケストラとの共演と様々な形態で縦横無尽に発揮されてきた。

国府弘子名義としては8年ぶりの録音となる今作は、そんな彼女の「今」をさらけ出す、完全ピアノ・ソロ・アルバム。“極上の音色”にこだわりぬいて制作された。

2009年からの乳ガン闘病、大切な人の死や家族の介護などの経験の中で「深い癒し」の想いを込めた “You Tune My Heart”(調律師・小沼則仁氏に捧ぐ)。 “ピアノテラビー”小品集(不調期の自分を癒すための作品)。“Cosmos Avenue”(ピアニスト松岡直也氏トリビュート)。また、故・羽田健太郎氏から後任を託された“Rhapsody in Blue”。“So in Love”“Somewhere”での、クラシカルかつジャジーなアプローチ。ファンの人気が高いオリジナル作品“Success Moon Dance”、“Starland”の新・ピアノソロバージョン。クラシックの現代作品を思わせるトリッキーな“Blood Circulation”では何食わぬ顔で硬派なテクニックを見せつけ、一方、ビートルズ「アビイ・ロード」B面収録の“Golden Slumbers”(国府は大のビートルマニアで、ビートルズの全作品を即興演奏する特技を持つ)や、最新ヒットチューンの一つ、ファレル・ウィリアムスの “Happy”をピアノ・ソロで見事に料理してみせるなど、まさに“ピアノ一丁”をキーワードに、フレキシブルな選曲で全く飽きさせない。

特筆すべきはオープニング“ピアノ一丁!のテーマ”とエンディングのピアニカ・ソロ“男はつらいよのテーマ”。このウィットやペーソスは、国府弘子の人柄をそのまま音楽に表した、まさにニヤリとさせられるもので、このアルバムがいわゆる「ソロピアノの癒しや優しさ」だけのものではない、ユーモアすらもこめることに成功した、希有な「極上のエンターテイメント」であることを付け加えておきたい。

 

「ピアノ一丁!」に寄せて

 

久しぶりの新作は、完全ピアノソロ作品です。日々の演奏活動はトリオでのライブから、シンガーとのコラボレーション、そしてオーケストラとの競演までいろいろで、そんな中でピアノがいかに奥の深い、繊細で豊かな“いきもの”であるかをしみじみと思い知る日々でした。

 

ジャズでは、しばしば“瞬時の音選び”に集中力を使いがちです。が、最近わたしは、それ以上に大切なことにも(今さらですが)気づきました。「何を弾くか」より「どう奏でるか」。その一音の音色で想いを告げることもできるし、帳消しにしてしまうこともある。クラシック修業とジャズ修業、その両方を欲張って、どちらも簡単には消化できない苛立ちで悶々とした若造時代でしたが、その答えを見つける旅が、やっとこれから始まる気がします。そう、ジャンルが何であろうと、響きに耳を傾け、音色に心を注いで、“自分のピアノ”を奏でたのが本作です。楽器、ホール、そして録音には“その音色”のために、想う限りの贅沢をしました。銀座ヤマハホールで弾いた極上のCFX。でも、このアルバムに収めたかったのは、たくさんの聴衆に向かって“演奏会”をしている、遠くの音ではありません。今そこで聴いて下さっているあなただけのための、そんな愛情のこもった音を録音してほしい、とお願いしたものです。そして私自身にも、このアルバムを「人生の中間地点のゴホービ」にしたいと(・・・え、中間地点?自分、まさか110歳まで生きるつもりでしょうか。あり得ない話ではありません)。さあ、これからも、ともに泣いたり笑ったりしながら、生きていきましょう。

どうかあなたの日々に、このアルバムの奏でるピアノが、深く、豊かに、幸せに響きますよう、心から願っております。

 

P.S. 最後に通算22枚目のこのアルバムのタイトルについて。「ピアノ・○○」というアイデアで何枚か命名してきたので、ピアノという言葉も使いたい。しかし今の気分としては、ヨコ文字(外国語)で背伸びをしたり、カッコつけたりすることをせずに、聴き手への“愛とユーモア”をシンプルに伝えたい・・・ということで、こうなりました。1994年に出版したエッセイ集のタイトルでもあります。ちなみに「!」が大事です。どうか、このアルバムのことを誰かに教えてあげる時は、タイトルは威勢よくご発声ください。なんだか、元気が出るはずです。